瑞牆山 クラック地獄3


2023年10月6日(金)
まーしーとクラック地獄エリアに行ってきました。

ほんの少し前まで夏と変わらないぐらいの暑さだったのに、この日はとても寒く、もう完全に秋の感じです。
クラック地獄エリアでは冷たい風が吹いていて、冬のような寒さでした。

まーしーが「N字ハング」にまだ触ったことがないというので、到着していきなり「N字ハング」にオンサイトトライを開始。
寒さをものともせず、気合いがこもった熱い登りでオンサイト成功しました。
まーしーと一緒にクライミングをするのは結構久しぶりですが、トラッドが大好きなまーしーはクラックばかり登り込んでいるようで、すっかり立派なクラッカーになってました。

僕はビレイしている間、薄手のダウンジャケットを着てましたが、寒さで全身の震えが止まらず、まーしーが降りてきた頃には、曖昧な意識の中でかろうじて立っているのがやっとの状態。

とても「N字ハング」にトライできるようなコンディションではありませんでしたが、まーしーがトップロープを張ってくれたので、ご厚意に甘えてトップロープで触ってみることにしました。

こないだ敗退したところを過ぎて、なんとか核心のハングのところまで到達したものの、ハングに辿り着いた時点で すっかり息が上がってしまい、テンションをかけて休憩。
呼吸が落ち着くまでロープにぶら下がって休みましたが、岩が冷たくてかじかんだ指の感覚はなかなか戻らず、何故か肩が痺れ始めました。
その後も何度かテンションをかけながらハングを乗っ越す方法を試し、ついに乗っ越しに成功したかと思ったところで力尽きてテンション。
またすっかり息が上がってしまい、しばらくの間ロープにぶら下がった状態で荒い呼吸を繰り返しましたが、どうやら酸欠になってしまったようで、気持ち悪くなって敗退しました。

トップロープで触れたおかげで登り方はだいたい分かりましたが、今の僕には強度が高すぎる感じです。
あるいは僕のワイドムーブが下手なせいかもしれませんが、地道に10台前半のワイドを登り込んでから、またいつかトライしたいと思います。



次は「回廊わきの無名ワイド」(5.10a)。

ごく短いワイドクラックで、見た目は登りやすそうに見えます。
またもまーしーがトップロープを張ってくれたのでトップロープでトライ。

これぐらいなら普通にノーテンで突破できるだろうと思って登り始めましたが、そこはやっぱり5.10aのクラックで、登ってみるとしっかり難しい。
やっぱりワイドクラックで重要なのは、外側の足をどうにかして推進力を生みだすこと。
頭では理解しているつもりでも、理解しているということと、実際に出来るということの間には大きな隔たりがあります。
外側の足がどうにもできず、無様に足をバタバタさせて、結局何度かテンションをかけながら、息も絶え絶えの状態でトップアウト。
短いクラックですが、ワイドクラックの練習にはとても良いクラックです。
また今度クラック地獄に来たら、これを登ってワイドの練習をしたいと思いました。

当初の予定では、今日は「苔ジャム」をやろうと思っていましたが、「N字ハング」とこの無名ワイドの2本で脚が産まれたての小鹿のようになってしまい、もうワイドクラックはちょっと無理そうな感じだったので、七面沢上流域エリアに行ってみることにしました。



途中で奥地獄エリアのクラックも見物しながら、20分ぐらい歩いて七面沢上流域エリアに到着。

写真は「キャップロック」(5.9)というクラックです。
ビシッと割れた綺麗なクラックで、気持ちよく登れそうな感じなので、まずこれを登ってみることにしました。
先にまーしーがトライしましたが、僕もオンサイトトライをしたかったので、まーしーの姿を見ないようにビレイ。



意外と苦労しているまーしーの吐息が聞こえてきましたが、無事にオンサイトし、続けて僕もオンサイトトライ。
登り始めてみると、やっぱり5.9というにはちょっと難しい感じで、若干危ういところもありましたが、なんとかオンサイト成功。
途中で微妙に難しいサイズも出てきて、オンサイトトライだったので気合いで登ってしまいましたが、登り終わって降りてきた後で、もっと別のジャミングも色々試してみれば良かったなと思いました。
このクラックもまた今度来たら改めて登りたいと思える、とても良いクラックです。

僕はこれでもうすっかり体力を使い果たしてしまったので、この日はこれで終了にして、この後はビレイヤーに徹することにしました。



ロクスノに掲載されていた記事のメモを見ながら歩き回って、ひと通りクラックを見て回りました。

この原生林の森の中にクラックがポツンポツンとあるのを少ない情報を頼りに探すのが、すごく瑞牆らしい感じがして、なんだか宝探しみたいで楽しいです。
それこそ開拓をしている人たちは、まさに宝探しのような気持ちでこうやってクラックを探して歩き回っているのでしょう。
夢のある話です。



「チョップスティックス」(5.10b)。
さっき登った「キャップロック」の近くにある、これまた綺麗なダブルクラック。
まーしーがオンサイトしてましたが、とても楽しかったみたいで興奮した様子で降りてきました。



「トイストーリー」(5.10b)。
「チョップスティックス」から少し登ったところにある、これまたびっくりするぐらい真っすぐなストレートクラック。
途中にかなりしっかりした木が生えているのが残念だなと思いましたが、ロクスノの記事には「木登り、シンハンド、ワイドと色々な要素が1本で楽しめる」と書かれており、何事もポジティブに楽しめる人って素敵だなと思いました。
これもまーしーがオンサイトしてましたが、かなり楽しかったみたいで、大分満足した様子で降りてきました。

この「トイストーリー」と「チョップスティックス」の2本は、見た目も綺麗だし楽しそうなクラックで、5.10bというグレードも取り付きやすいので、来年の春にでも登りに来たいです。
まーしーはこのエリアには何度か来ているようで、他にも「くまのプーさん」とかおもしろい5.10aのワイドもあるらしく、僕のレベル的にはクラック地獄よりも楽しめそうな魅力的なエリアに感じました。

このエリアも再来週に発売する新しい瑞牆本に載るみたいです。
僕ももっとクラックが上手に登れるようになりたいので、新しい瑞牆本もちゃんと買って、まずは10台前半のクラックをしっかり登り込んでいきたいと思います。
ただし今年はもう瑞牆は寒いので、来年から本気を出して頑張るつもりです。


【今日の成果】
N字ハング(TR)5.10d敗退
回廊わきの無名ワイド(TR)5.10aトップアウト(3テン)
キャップロック5.9OS
Comment Box is loading comments...


瑞牆山の記録まとめへ

山日記メニューへ