鹿島槍ヶ岳 東尾根


2023年4月10日(月)~11日(火)
会の山行で鹿島槍ヶ岳の東尾根に行ってきました。
今回は日帰り組と1泊組に分かれて、日帰り組は爺ヶ岳東尾根へ、1泊組は鹿島槍東尾根へ。
1泊組のメンバーは僕とchimneyさんとTK2と梅さんの4人です。

天気予報だと10日~11日はかなり暖かくなる予報で、日中は山頂付近でも0度以上の予想になっていたので、インナーもミドルレイヤーも薄めの服で来ましたが、前日の深夜に登山口の大谷原の駐車場に着いたら、思っていたよりも大分寒くてなかなか寝付けず、もっと暖かい服で来れば良かったと後悔しました。

1日目は二ノ沢の頭で幕営する予定で、5時間ぐらい歩くだけなので、のんびりと6時過ぎに起きて6時50分頃に駐車場を出発。
林道を20分ちょっと歩いて、取り付きの目印のピンクテープがあるところから斜面を登っていきます。



直前の土日で、山の上の方では大雪が降るという予報になっていたので、結構雪が積もっているんじゃないかと思って心配してましたが、とりあえず下の方は全然降らなかったみたいで、しばらくは藪漕ぎ。



出発から3時間ぐらいで標高1800mぐらいまで登ってきました。
尾根に上がってからもしばらくは藪が煩わしかったですが、だんだん藪がなくなってきたので、この辺りからアイゼンを装着。



途中で局所的に傾斜が強いところが出てきたので、そこからヘルメットを装着してアックスとストックの二刀流で登りました。
一ノ沢の頭の手前辺りから周囲の展望が良くなり、木々の隙間から周りの山々がよく見えるようになってきます。
右側の方には五竜岳に続く遠見尾根がよく見えました。



出発からちょうど4時間ぐらいで一ノ沢の頭に到着。
景色もよくて平らで居心地の良い場所なので、ここで大休止。
正面の山は爺ヶ岳です。
風が当たるようになってきたので、ハードシェルを着て、何かあったときの為にハーネスも着けて、ここからはフル装備で進みます。



一ノ沢の頭を過ぎてからは、ナイフリッジや雪庇も出てきます。
危ないところは距離を取りながら、なるべく速やかに通過します。



一ノ沢の頭から1時間ちょっとで、二ノ沢の頭に到着。
この先の第一岩峰の基部にも1張りぐらいテントを張れるらしいので、行けたらそこまで行きたいと思ってましたが、遠目に見た感じだとあまり平らではなさそうなので、この日はここで幕営することにしました。



ちょうど前にテントを張った人たちが積んだブロックが残っていたので、有難くブロックを使わせて頂きました。
テントを張り終えてからは、ひたすら雪を溶かして水を作ります。



14時過ぎぐらいからはもう何もすることがなくなりました。
その後は周りの景色を見て、明日登るラインを探したり、下降で使う赤岩尾根の様子を見たり、遠くに見える山を眺めたりしながら過ごします。



夕方ぐらいから寒くなってきたので、寝床を整えてみんなでテントに入りました。
4人用のテントなので、4人が横になるだけのスペースしかなく、とても窮屈な感じです。

昔、八ヶ岳でも4人用テントで4人で眠ったことがあり、あのときは足と頭が高くなりすぎて寝づらかったですが、あのときの反省を生かして、今回は寝床の高さ調整が上手くできたので、そこそこよく眠れました。



2日目の朝は5時過ぎに起床。
天気は良いですが、遠くの方は全体的に靄がかかっていて、景色はあまりクリアではない感じです。

テントの撤収のときに強風が吹いてたら嫌だなぁと思って心配してましたが、運よく朝方は風が無く、無事にテントの撤収を終えられました。



6時頃、僕らがテントの撤収をしているときに、単独の登山者が通り過ぎていきました。
この写真の、少し先の稜線の左のところを単独の人が歩いています。

ワンデイアタックのようで軽量の装備でしたが、この時間にここまで登ってきているということは出発は午前2時ぐらいでしょうか。
記録を見ていると、深夜に出発して日帰りで登っている人も結構居るみたいですが、昨日登ってきた藪のゾーンをヘッデンの明かりで登るのはちょっと大変そうです。



6時20分頃に出発。
最初は僕が先頭で歩き始めましたが、右側は雪庇だし、左側もところどころ雪が割れており、先頭を歩くのがちょっと怖かったので、chimney師匠に先頭を代わってもらいました。

どうやら土日にはほとんど雪は積もらなかったみたいで、雪は硬くて前の人のトレースも残ってはいましたが、もしちょっとでも雪が積もってトレースが残ってなかったら、どの辺りを歩くのがベストなのか、自分ではまだよく分かりません。



少し進むと歩きやすい広い斜面になりますが、第一岩峰までは急な登りが長く続き、結構疲れるところでした。



7時半頃、第一岩峰の基部に着きました。
取り付きの左の岩陰のところに幕営した跡のようなものはありましたが、やっぱりあんまり平らな場所ではないので、大きなテントは張れなそうです。

最初は真ん中の雪が詰まったルンゼを登ろうとしましたが、ズブズブ沈んで登れないので、その左のⅢ級ぐらいのフェイスを登攀。
一応1ピッチだけロープを出しました。



第一岩峰を登り終えると、そこから第二岩峰までは雪庇の張り出した雪稜のトラバース。

この写真はTK2が撮ってくれましたが、今回の一番のお気に入りの写真です。
とても美しい雪稜で、後ろの方には昨日からずっと歩いてきた東尾根の稜線が見えています。
右の方のつるっとしたピークが、テントを張った二ノ沢の頭です。



9時半頃に第二岩峰に到着。
ここも1ピッチだけロープを出して、僕がリードで登攀しました。



第二岩峰の核心部を登る僕。
どこに居るのか分かり辛いですが、ちょうど一番暗くなっているところに見えている黒いザックが僕です。
核心部は体感では5.8~9ぐらいの感じですが、全装を担いで狭いところを登るのはなかなか大変で、核心を抜けた直後は息切れでしばらく動けませんでした。



登り終えたところに残置支点があったので、ロープをフィックスして後続はタイブロックで登りました。

みんな核心部はそれなりに手こずってましたが、気合いのクライミングで全員ノーテンで突破。



第二岩峰を過ぎると頂上が見えてきます。
後は難しいところはないはずなので、ひたすら歩いて登っていくだけですが、頂上まではなかなか急な登りが続きます。

この日は朝からずっと風もなく、気温が大分上がってきていて、ここの登りはかなり暑かったです。
やっぱりちょっと薄手のウェアで来て良かったと思いました。



頂上までの最後の登り。
先を歩くTK2と梅さんが巨大な雪庇の上に乗っているように見えて、あれが崩れたら2人共落ちるんじゃないかと思ってちょっとドキドキしました。



11時44分、出発から5時間20分で鹿島槍ヶ岳の北峰に到着。
ここまで来ると、これまで見えなかった西側の山々も見えて、やっぱり剱岳の姿はとりわけかっこよく見えました。(この写真には剱岳は映ってませんが)



やけに何もない頂上だなと思いましたが、山頂標識が雪で大分埋まってました。



鹿島槍ヶ岳は双耳峰で、しかも北峰より南峰の方が高いので、もう1つのピークの南峰にも登らないと、きちんと鹿島槍ヶ岳を登ったとは言えません。
なので一度鞍部に降りて、今度は南峰の頂上を目指して登ります。

この南峰の頂上までの雪の斜面が、トレースの無い硬い雪にアイゼンの前爪を効かせて登る感じで、ふくらはぎが疲れてきてなかなか緊張するところでした。



13時頃に南峰に到着。
北峰と比べると雪がほとんどなく、山頂標識もしっかり出ています。

ここまで来たら後は下るだけですが、まだまだ下りも長いので、急いで降ります。



下りは赤岩尾根を下降する予定なので、まずは爺ヶ岳の手前の鞍部にある冷池山荘を目指して歩きます。
ちなみに「冷池」の読み方をこれまで知りませんでしたが、「つべたいけ」と読むらしいです。

稜線の西側は雪が残っておらず、夏道が出ていました。
雪を上を歩いた方が速いんじゃないかと思って、雪の上を歩いてみましたが、途中から一歩ごとにズボッと埋まってしまって歩くどころではない感じだったので、一旦アイゼンを外して夏道を歩きました。



途中で僕が腕時計を失くしてしまい、探しに戻ったりというタイムロスがありましたが、南峰から1時間半で冷池山荘に到着。

結構疲れてきていたので、最後の下りに入る前に、赤岩尾根の分岐の手前の平らになってきたところで小休止しました。



15時23分に赤岩尾根分岐に到着。
今年は雪が少ないみたいで、この辺りはもう雪が全くありません。

ここから赤岩尾根に向けて左の方に降りていく感じですが、この地点から真っすぐ降りるのは怖かったので、少し登って傾斜が緩くなったところから左に降りました。



今日の朝から歩いてきた、東尾根の稜線と鹿島槍の山頂がよく見えます。
雪が少ないとは言っても、こうしてみると立派な雪山で、まだ下降の途中ですが、この山を登れたんだと思うと満足感が込み上げてきます。



赤岩尾根に乗るまでは、斜面を結構長くトラバースします。
ここも先頭はちょっと怖いところですが、もちろんchimney師匠に行ってもらいました。



赤岩尾根に乗ってからも、結構怖い斜面を降りるようなところが続き、なかなかスムーズに降りられないので、途中から西沢に降りることにしました。



稜線を歩いているときは踏み抜きが凄かったので、西沢に入るのがちょっと心配でしたが、入ってみたら全然雪が安定していて歩きやすく、スタスタと下降できました。



延々と同じステップでの下降が続き、ふくらはぎと太腿が疲れてきたので、途中でシリセードもやってみました。
シリセードはすごく楽で速く下れていいのですが、隙間という隙間から雪が中に入ってきてしまい、ズボンの中が結構濡れてしまい、靴下もビチョビチョに濡れてしまいました。

赤岩尾根分岐を出てから2時間ぐらいで西俣出合まで降りて、最後は林道を1時間ぐらい歩いて、18時20分に駐車場に到着。
出発からちょうど12時間でしたが、なんとか明るいうちに降りることができました。

天候条件に恵まれて、アルパインクライミングと言うには快適すぎるぐらいの感じでしたが、核心部のクライミングも楽しくて、雪稜も綺麗ですごく良かったです。




今回のルート


1日目
6:50 大谷原駐車場
↓ 24分
7:14 東尾根取り付き
↓ 3時間37分
10:51~11:20 一ノ沢の頭
↓ 1時間12分
12:32 二ノ沢の頭

2日目
6:22 二ノ沢の頭
↓ 1時間24分
7:46 第一岩峰の基部
↓ 1時間40分
9:26 第二岩峰の基部
↓ 2時間18分
11:44~11:53 鹿島槍ヶ岳 北峰
↓ 1時間5分
12:58~13:06 鹿島槍ヶ岳 南峰
↓ 1時間32分
14:38 冷行山荘
↓ 45分(休憩20分含む)
15:23 赤岩尾根分岐
↓ 2時間7分
17:30 西俣出合
↓ 52分
18:22 大谷原駐車場
Comment Box is loading comments...


アルパインクライミングの記録まとめへ

山日記メニューへ