谷川岳 土樽駅にて敗退


2020年3月2日(月)〜3月3日(火)
3月2日〜4日までの3日間、奇跡的に3連休が取れたので、まっさんと共に冬の谷川の馬蹄形縦走にチャレンジすることにしました。
僕は谷川岳はトマの耳までしか登ったことがないので、トマの耳から先へと続く雪稜を歩くのを楽しみにしていましたが、結果的に歩くことはできませんでした。

予定では2泊3日の山行だったので、前々日からカーボローディングをして炭水化物を体に溜め込み、3日分の食料も炭水化物をしっかり摂れるように用意しました。



当日に確認した天気予報では、2日は雪のち曇り、3日は午前中は吹雪で午後から晴れ、4日は曇りのち雪。
4日には2つの低気圧が通過するということで全国的に大荒れの予報になっていたので、3日のうちに頑張って行けるところまで行こうと話をしていましたが…。

水上駅に着いて、土合行きのバスに乗ろうかと思ったら、なんと雨。
天神平スキー場のtwitterを見たら、朝の時点で天神平の気温はプラス2度。
これでは土合に行っても雨に違いないということで、いったん水上駅の待合室で作戦会議をすることにしました。

今回は電車とバスでの移動で、土合に到着するのが9時17分の予定だったので、1日目は西黒尾根を登って肩の小屋まで行ければいいかなと思ってましたが、さすがに雨の降る中で雪山を登るのはちょっと不安があり、相談した結果、1日目は登山口で停滞することにしました。
しかしそうなると当初の予定の馬蹄形縦走は難しくなるので、コースも変更することにして、土樽駅から茂倉新道を登って茂倉岳へ行く計画に変更。



土樽駅まで行ってしまうと何もない駅舎で1日過ごすことになるので、夕方までは快適な水上駅の待合室で過ごすことにして、ただただ時間の過ぎるのを待ちます。

雨が止んだらコンビニに行こうと思って、ずっと雨が止むのを待っていましたが、結局止んだのは12時前ぐらいで、その後も一日中降ったり止んだりの天気でした。

あまりにもやることがないので、まっさんは駅の外にあるH鋼を使って指のトレーニングをしてました。



土合駅で3月22日までの期間限定でグランピング施設が営業していて、カフェも併設しているらしいので、暇つぶしに見に行ってみることにしました。



17時頃に土合駅に到着。
この時期の土合駅とは思えないほど雪が少ないです。



ちなみにこれが期間限定の「モグカフェ」。
コーヒーしかないので、今回は外から見るだけで帰りました。

その後は土樽駅に移動して、夕飯を食べて駅寝。
翌日も雨の予報になっていたので登れるか不安でしたが、せっかく電車賃を払ってここまで来て、わざわざ水上で一日待ったので、希望を胸に抱いて眠ることにします。



そして翌日の朝。
5時に起床して外を見てみると、無情の雨です。

朝食を食べながら様子を見ましたが、全く止む気配はありません。


朝6時の土樽駅のホーム。
午前中は雨が降り続く予報となっており、さすがにこの雨の中で雪山を歩く気にはなれず、無念ですが撤退することにします。



ちなみにこの写真は3週間前の2月10日のビーコン訓練のときの土樽駅の写真。
このときは雪がたくさんありました。



これがこの日の土樽駅。
今年は記録的な暖冬のようなので特に雪が少ないのかもしれませんが、聞くところによると、昔と比べると年々雪が少なくなっているそうなので、来年以降はちゃんと雪が降ってくれるのか心配です。

駅から見える山も、前回と違って雪がなく黒々としていました。



今日登る予定だった茂倉岳。
今回は残念ですが、初めて電車で谷川まで来てみて、1日目の出発は遅くなるけど頑張れば車が無くても行けるということが分かったので、とりあえず今度雪の無い時期に一人で馬蹄形縦走をやってみようかと思います。



6時過ぎに一瞬雨が止んで空が少し見えたので、まっさんと「やっぱり行こう!」となって急いで出発の準備をしましたが、またすぐ雨が降り出したので諦めて6時28分の上り電車に乗って帰ることにしました。



水上駅でも雨が降っていましたが、水上から一駅離れたらすっかり晴れて、嘘のような青空でした。
それでも谷川岳の向こうだけはべったりとした感じの雲がまとわりついていて、やっぱり谷川は標高こそそれほど高くはないけど、脊梁山脈だから気候の変化が激しいんだなぁと思いました。

車窓から見える谷川岳や他の山々を見ながら、「がんばって稜線まで登っていたら、ビショビショにはなっていただろうけど良い景色が見れてたかもなぁ。」とか、あるいは「もっと早く、昨日のうちに敗退を決めて奥秩父とかの山域に転進していたら、今日は快適な山歩きが楽しめていたかなぁ。」などと考えました。

しかしこういうときの撤退の判断というのは本当に難しい。
昨日のうちから、朝になっても雨が降っていたら撤退するしかないなとは思ってましたが、撤退するにしても、あんまり早く撤退を決めると集会の報告のときになんやかんや言われそうだから、ギリギリまで粘ろうという気持ちもあり、当日の朝になっていよいよ無理だというところまで粘って、さらにはその状況証拠の動画まで撮影しました。

そして僕自身はもう撤退という考えで決まってましたが、まっさんは雨が降っているのを見ても「登って標高を上げれば雪になるのでは」と、本当にギリギリまで踏み込みたい気持ちのようだったので、一時は僕もそれに付き合おうかという気持ちになりましたが、やっぱり体が濡れると分かっている状況で雪山に登るというのが、かなり低体温症のリスクが高いと思い、相談の上で撤退という判断に至りました。

我らが石田登山塾の石田塾長の過去のブログで、「撤退のタイミング」という記事が書かれていましたが、その記事のことを思い出し、今回の状況だったらどこで撤退を決めるのがベストだったのかなと考えましたが、結局正解なんてのは無いんだと思います。
こういう状況判断も経験を積んでいくことで、いずれは後悔のない撤退ができるようになるんでしょうかね。

関連リンク:石田登山塾日誌 2019年6月27日 「撤退のタイミング」



そんなこんなで11時半頃に帰宅。
変な時間に帰宅したので、猫たちが驚いて布団の中から出てきてました。

結局山を一歩も登らずに帰ってきてしまったので、出発の前々日からしっかり溜め込んだ炭水化物はそのまま体内にある状態で、このまま何もしないでいたらただ太ることになってしまいます。
それは嫌だから何か消費カロリーの多い運動をしようと思い、近所の多摩川沿いの道でランニングでもしようかと考えましたが、せっかく天気が良いので高尾山でトレランをすることにしました。

というわけで続きは本編にて。


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