北岳バットレス 第四尾根主稜


2022年8月22日(月)~23日(火)
TK2と北岳バットレスの第四尾根主稜を登ってきました。

当初の予定では2泊か3泊で剱岳に行こうと思ってましたが、天気予報がかなり悪く、22日~23日だけならなんとか行けそうなので、急遽予定を変更して、北岳へ。
僕は前に一度日帰りで登りましたが、今回は白根御池小屋にテントを張って1泊2日で登ります。

芦安の駐車場に着いたら、駐車場には車がびっしりで、停めるところがなくてちょっとヒヤッとしましたが、第3駐車場はガラガラでした。
ここ何日か天気が悪かったのと、明後日以降の天気予報が悪いので、この日はちょっと混んでいたみたいです。

初日は広河原から白根御池小屋まで、標高差でいうと700mぐらいを登るだけですが、急登がずっと続くので、テント泊装備とクライミングギアが詰まったザックを担いで登るのはなかなか大変です。



出発から2時間ちょっとで白根御池小屋に到着。
テントを設営した後で、体力的に余裕があれば取り付きの偵察に行こうと思ってましたが、2人ともクタクタだったので偵察には行かず、小屋でビールを飲んでまったり過ごしました。
そしたら夕方頃から結構強めの雨がしばらく降ったので、偵察に行かないでよかったと思いました。



そして翌朝は3時前に起きて準備して、4時に出発。
まだ真っ暗でしたが星が綺麗に見えていて、天気は良さそうです。



二俣から大樺沢を詰めていく途中で朝日が出てきました。
少しずつ明るくなってきて、鳳凰三山がよく見えるようになってきたので、時折振り返って景色を眺めながら登りました。
頂上に着いたときもこんな天気だといいなぁと思っていましたが、まさかこの日はこれ以降太陽が二度と顔を出さなくなるとは、このときは思ってもみませんでした。



第四尾根主稜の取り付きまでのアプローチで、まず最初に下部岩壁を登ることになりますが、下部岩壁だけでも登るルートがいくつかあります。
Bガリー大滝、Dガリー大滝、第五尾根支稜のいずれかを登るのが一般的なようで、前に来たときはBガリー大滝を登りましたが、今回は最も簡単らしい第五尾根支稜を登ることにします。

大樺沢を詰めていって、出合に大岩のあるB沢を越えて、水が流れるC沢も越えたところで、D沢の右岸の踏み跡に入っていき、途中でD沢を跨いでCD中間稜に上がり、踏み跡を辿っていきます。
踏み跡はしっかりしてますが、昨日の雨で道が濡れていて、濡れた岩が滑るので結構嫌な感じのところでした。



小屋を出発してから1時間40分ほどで、北岳バットレスの下部岩壁まで到着。
写真の中央から左のやや黒っぽいところがDガリー大滝で、その左が第五尾根支稜です。



ここからギアを装着して登攀開始。
第五尾根支稜も出だしは雨で濡れてましたが、アプローチシューズで問題なく登れました。



2ピッチ登って傾斜が緩いところに出ると、少し先の方にDガリーが狭いルンゼ状になっているので、そこもロープを出して1ピッチで登ります。



ルンゼを登ったところがテラスになっており、そこからコンテに切り替えて横断バンドをトラバースしていきます。



横断バンドから四尾根主稜の取り付きまでのルートも2通りあり、四尾根の右側の灌木帯を登っていくか、Cガリー側からヒドンスラブを登る方法があります。
灌木帯が結構濡れていて、登ったらビショビショになりそうだったので、今回はCガリーからヒドンスラブを登ることにしました。

しかしこのCガリーが浮石だらけで、一歩歩くごとにガラガラと石が崩れて、とても神経を使うところでした。
一回小規模の岩雪崩を起こしてしまい、後ろを歩いていたTK2に当たりそうになってヒヤヒヤしました。
このCガリーの登りが、今回のルート中で最も悪いところだっと思います。



ペンキで目印が書いてあるところから左に入ってヒドンスラブを登攀。
ここも苔だらけのビショビショで、嫌な感じのところです。



やっとの思いで四尾根主稜の取り付きまで到着。
この時点で8時を少し過ぎており、小屋を出発してから4時間ほどかかったことになります。
ここからがようやく本番なわけですが、正直言って大樺沢からここまでの部分の方が、周りをよく見てルートファインディングをしながら登る必要があり、とても疲れる部分でした。

ここから先はトポに詳しく書いてあるし、基本的にはリッジラインに沿って登っていくのでまず間違うことはなく、もう迷うところはないという安堵感があります。

空もどんどん雲が多くなっていきますが、取り付きに着いた時点ではまだ富士山が見れてよかったです。
ちなみにこの直後からガスに覆われて、その後は下山するまで景色は何も見れませんでした。



1ピッチ目は5.7~8ぐらいのクラック。
このピッチと最後の城塞ハングが面白いピッチだと思いますが、僕は前回来たときにリードで登ったので、TK2のリードで登攀開始。

多分これがTK2の初めてのクラックのリードだと思いますが、ここ最近のクラックの練習の成果がバッチリ出ていて、手も足もしっかりジャミングを効かせて登ってました。



その後はつるべで2、3、4ピッチを順調に登り、5ピッチ目の三角形の垂壁まで来ました。
ここは僕が前回来た時に雨が降っていてA0してしまったところだったので、ここだけはお願いしてリードで登らせてもらい、今回はちゃんとフリーで突破できました。



マッチ箱の懸垂ポイント。
ここから一旦懸垂下降して、奥にうっすら見えているリッジを登っていきます。
霧の奥にかすかに見えている城塞ハングが、まさに聳え立っている感じがします。



城塞ハング手前のトラバース。
ここは高度感がすごいですが、景色が全くないのが残念です。



そして最終ピッチの城塞ハングのチムニー。
TK2がリードで登って、僕はフォローで登りましたが、チムニーの中が濡れていて登り辛く、結構難しく感じました。
窮屈な体勢でホールドを探すのがなかなか大変です。

チムニーを抜けてハイマツ帯のところで靴を履き替えて登攀終了し、そこから山頂を目指してしばし急登を登ります。



終了点から25分で山頂に辿り着きましたが、なかなかの急登でかなり疲れました。

後は下山するだけですが、この時点で時刻は12時5分で、北岳山頂から広河原までは標準コースタイムだと4時間20分。
そして広河原からの最終バスは16時40分発。
テントの撤収にかかる時間もあるし、僕の右足が痛み始めていたので、もしかしたら最終バスに間に合わないかも…という不安が頭をよぎりました。



しかし、ロキソニンを飲んで急いで降りたら、白根御池小屋まで1時間20分で到着。(標準コースタイムは2時間20分)
テントを撤収して、そこから重いザックを担いでの下りは辛かったですが、15時35分には広河原に着くことができました。
逆に早く着きすぎて、最終バスが出るまでの時間が暇だなと思いましたが、運のいいことにちょうど乗合タクシーが出発するところで、ほとんど待つことなく帰ることができてラッキーでした。


今回のルート


1日目
11:06 広河原
↓ 2時間10分
13:16 白根御池小屋

2日目
4:04 白根御池小屋
↓ 1時間46分
5:50~6:10 第五尾根支稜取り付き
↓ 2時間4分
8:14~8:22 第四尾根主稜取り付き
↓ 2時間58分
11:20~11:40 終了点
↓ 25分
12:05~12:13 北岳
↓ 1時間20分
13:33~14:07 白根御池小屋
↓ 1時間28分
15:35 広河原
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前回の北岳バットレスの記録

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