セドノ沢右俣


2020年6月30日(火)
マッサンと丹沢のセドノ沢右俣を遡行してきました。

思い返せば、僕が初めて沢登りをしたのは神奈川県山岳連盟の沢登り講習で行った丹沢の新茅ノ沢で、当時は何度か沢登り講習に通って丹沢の沢をいくつか登りましたが、講習に通うのをやめて月稜会に入ってからは、今回が初めての丹沢での沢登りです。



まずは水無川本谷のF1。
この滝だけは僕は登ったことがあるので、マッサンに先に登ってもらってオンサイトしてもらいました。
今回から導入してみたという新兵器の水中メガネを着けてます。



水無川本谷のF1を越えた後の二俣からセドノ沢に入り、今度はセドノ沢のF1。



続いてセドノ沢のF2。
この滝の上の二俣で右俣と左俣に分かれます。



ようやくここからセドノ沢右俣で、奥の滝が右俣のF1です。
まずは4mの前衛滝を登りますが、ここまでの滝と比べるとホールドが細かく、ちょっと難しかったです。
ちなみにここまでの滝は全てフリーソロで登りました。



8mのF1。
ここで今日初めてロープを出しました。

僕がリードで、左の凹角を登りました。
残置のハーケンがあるのでドローをかけながら登りますが、ハーケンがかなり錆びていて信頼できるものではありません。
マッサンから借りたボールナッツがしっかり極まったので、なんとか無事に突破できました。



次のF2も8m。ここはマッサンがリード。
ここもなかなか難しい上に途中からプロテクションがとれず、結構怖そうな感じでしたが、最後はランナウトしながらも慎重にルートファインディングして無事に突破。



F3の3段15mの滝の1段目。
ここは3段ともそれほど難しくなく、全てフリーソロで登りました。



そしていよいよこの沢のハイライトの35mの大滝。
正直なところ「あれ?35mにしちゃ小せぇな」と思いましたが、どうやら2段で35mのようで、これは1段目のようです。



別アングルからの大滝。
この日は12時頃から雨が降り始め次第に強くなるという予報だったので、雨が降る前に大滝を突破したいと思ってましたが、意外に天気がよくて青空も見えました。



10mほど上のテラスまでフリーソロで登って、テラスのところから登攀開始。
今回は僕の希望でこの沢に来ているということもあり、核心のこの大滝は僕がリードで登ります。

水流から離れた乾いたところを登るのが一般的なようですが、やっぱりある程度水流に近いところを登ってこそ「この滝を登った」と言えるのではないだろうかと思い、敢えて水流沿いに登るルートを選択。

遠目から眺めていたときは、水量も少ないし楽勝だろうと思っていましたが、滝に近づいて水流を浴びるようになると、その勢いの強さに驚きます。
絶え間なくヘルメットに叩きつける水流に耐えつつ、せめて直撃を避ける為に体の位置をずらしながら、手探りでホールドを探っていると、流芯の辺りにもいくつかハーケンが打ち込んであるのが見つかりました。
ありがたくドローを掛けてクリップをするのと同時に、ハーケンを打った人に対する畏敬の念が湧いてくるのを感じました。

結局のところ途中で水流から離れて左側にトラバースしましたが、そこも意外と難しくて、一か所だけ残置スリングでA0してなんとか登りました。
そんなこんなでなんとかビレイ点まで辿り着くことはできましたが、プロテクションは全て残置ハーケンでとり、残置スリングでA0もしてしまったので、自分自身の力でこの滝を登ったという感じは薄いです。



ビレイ点から左側に高巻きして、大滝の2段目とその上の10m滝の上まで一気に巻きます。
その後に出てくる二俣を過ぎて、右から枝沢が出合うところで右に入っていき、後は溝状のところをひたすら詰めていきます。

大滝を登っているときはいい天気でしたが、このあたり急激に暗くなって気温も下がってきて、ガスに包まれ始めました。
天気予報通りに12時から天気が崩れ始めたので、当初の作戦通りに雨が降る前に核心を越えられたのでよかったです。

足元の土がズルズルしてなかなか進めないイライラゾーンをしばらく登って、もうすぐ尾根に上がるはずというところで藪こぎになりました。
高度計は1190mの表示になっていて、登山道はもうほんの数メートル先のはずというところでしたが、この藪が地獄のようなトゲトゲの藪で、痛すぎて前に進めず、藪こぎを断念して少し引き返します。



藪の薄いところはないかと右へ右へと歩いていったら、目の前に登山道が見えて、なんとか雨がひどくなる前に登山道に出られて、そこから少し歩いたら政次郎の頭に着きました。

そこからは政次郎尾根を降りて、1時間もかからずに戸沢山荘へ到着。
さらに雨の中の林道を1時間半ほど歩いて、大倉に着いてから着替えをしたら、足元にヒルが結構たくさん付いてました。
久しぶりの丹沢の沢でしたが、夏の丹沢は下山後のこのヒルの処理が面倒なことを忘れてました。
セドノ沢の左俣もおもしろそうなので行ってみたいですが、次に丹沢に来るのはヒルが居ない時期にしたいです。


今回のルート


7:50 戸沢山荘
↓ 2時間7分
9:57 大滝
↓ 2時間26分
12:23 政次郎の頭
↓ 52分
13:15 戸沢山荘
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