北川の岩場


2020年3月19日(木)
いとしゅーさん、まーしー、MATSUと北川に行ってきました。
こないだ初めて来たときから3日しか経ってませんが、こないだの寒さが嘘のように暖かく、風もなく快適なクライミングが楽しめました。

今日はMATSUが「北落師門」のレッドポイント狙いで、ヌン掛けしてからの1トライ目で見事にレッドポイント。
僕が今シーズンの目標と決めたルートをこんなにもあっさりと落としてしまうとは、やっぱりすごい男です。
でもMATSUのトライを見ていて、全体を通して極端に難しいムーブはなさそうに見えて、なんとなくですが、めっちゃがんばればいけそうという感じに思えました。
まぁこういうのって、自分より強い人が登っている姿を見てもたいがいアテにはならないものですけどね。



僕は前回登れなかった「謙譲の美徳」に、いとしゅーさんと共にトライ。

最初にマスターでトライしたら、なんとノーテンで核心を抜けることができました。
しかし、例の核心を越えた後の部分でヌンチャクを掛けることができず、できる範囲で体勢を変えて色々がんばってみましたが、どうしてもボルトのところまで手が届きません。
もう一歩上がればヌンチャクを掛けられるのは分かっているのですが、ランナウトの恐怖で足を上げることができず。
左右の手を交互にシェイクして、なんとかもう一歩上がろうと粘りましたが、時間が経つにつれて指先が冷えて感覚が鈍くなってゆき、やがてその場でレストをし続けることすら辛くなってきたので、諦めて自ら落ちました。

しばらく休んでから2便目を出しましたが、今度は核心のシーケンスを間違ってしまいテンション。
テンション後も結局5ピン目のクリップ体勢が作れず、またしてもヌンチャクを掴んでクリップしてしまいました。

そして最後に出した3便目は、核心の途中で力が尽きてしまい、ムーブを起こせなくなってテンション。
でも1テン後は5ピン目のクリップ体勢を上手く作ることができて、下からのクリップに成功。
5ピン目クリップの後に完全にレストできる体勢も見つかり、1テンでトップアウトすることができました。
結局今日は落とせませんでしたが、次こそは登れそうです。



「北落師門」にオンサイトトライしたまーしーは、何度かテンションをかけてトップアウトしてましたが、このルートをいたく気に入った様子でした。
僕も早く「謙譲の美徳」を終わらせて、「北落師門」にトライしたいです。

ちなみにこの日は僕らの他にもどこかのスクールっぽいパーティが1組居たのですが、そこの先生がとても強者感が漂っている感じの人で、途中でその先生が「錦ヶ浦」(5.12c)をマスターで登り始めたので、登っているところをみんなで見てました。

マスターでこんなにかぶった5.12cのルートを登るだけでもすごいと思いましたが、ビレイをしている講習生があまり慣れていない感じで、登りながら先生が立ち位置を指示したりしていて、凄まじい人だなぁと思って見ていたら、やがて最後のハングに辿り着き、リップのところまで登ったところで事件が起きました。
当然そのままマントルを返して上に上がるのだろうと思って見ていましたが、リップを取ったところで、先生がこう言い放ちました。

「じゃあここから下りますから。クライムダウンするからテンションかけないでね。」

見ていた僕らは訳が分からず「え?え?」と声に出して驚きましたが、なんとそのままハングの部分をクライムダウンして、掛けたヌンチャクを全て回収しながら、結局一度もテンションをかけることなく地面までクライムダウンして降りてきたのです。

僕は目の前で起きたことがとても信じられず、しばらく呆気にとられていましたが、後で聞いたらその人は有名な勝井クライミングスクールの勝井さんだったそうです。
世の中にはとんでもない超人がいるものだと思いましたが、鍛錬を積めば人間にもあんなことができるようになるということが分かったのは、とても大きな収穫だと思います。


【今日の成果】
謙譲の美徳5.11aトップアウト(2テン)
謙譲の美徳5.11aトップアウト(2テン)
謙譲の美徳5.11aトップアウト(1テン)
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