阿弥陀岳北西稜


2020年1月14日(火)
まーしーと阿弥陀岳の北西稜に行ってきました。

八ヶ岳山荘を5時に出発して南沢を歩き、摩利支天沢の取り付きのロープを過ぎてさらに少し歩き、前方の視界が開けてきた辺りで、右側の斜面に入っていく足跡がちょいちょい出てきたので、その辺りから登山道を離れて適当に斜面に入っていきます。
7時40分に登山道を離れて装備を付けて、北西稜へ向けて登り始め。

今回のまーしーは諸事情により、珍しく全身真っ黄色です。



足跡はすぐになくなり、ラッセルしながらの登りになりました。



今年はこれまでにないぐらい雪が少ないというイメージだったので、ラッセルすることになったとしても大したことはないだろうと思っていましたが、意外や意外の深いラッセルに苦しめられます。



取り付きから1時間ほど登って、ようやく樹林帯を抜けました。



その後もまだまだ続く深いラッセル。
今回は僕のラッセル練習も兼ねて、ずっと僕がラッセルするつもりでいましたが、腰の高さをも超えるようなラッセルになってきて、なかなか進めなくなってきてしまい、まーしーが横から抜いて行きました。
無念ですがラッセル力ではまだまだまーしーにかないません。



取り付きから2時間ほどで、やっと森林限界を超えて歩きやすくなってきました。



10時15分に北西稜の取り付きに到着。
登山道を離れてからここまでがなかなか大変で、目標の北西稜はやっとここからスタートだというのに、僕は既にヘトヘトでした。



最初はU級のピッチが100mほど続くので、ここは僕がトップでコンテで登攀。



これまでのラッセル地獄とは打って変わって、開放感があって気持ちのいい雪稜です。



第一岩壁から本格的に登攀開始。
4ピッチ目の核心がかなり難しそうなので、4ピッチ目はまーしーにお願いすることにして、僕は奇数ピッチを登ります。

1ピッチ目は岩壁の右側をトラバースして、草付の壁を登ります。
雪が積もった草付にアックスを打ち込んで登る感じですが、雪の下がどうなっているのか分からないと不安なので、積もった雪をできるだけ払いのけて、露出させた草付にアックスを刺したり、岩にアイゼンを掛けて立ったりして、少しずつ登りました。



2ピッチ目は階段状のリッジ。



2ピッチ目を登り終えると、迫力のある上部岩壁が出てきます。



3ピッチ目は僕がリード。
上部岩壁の左側をトラバースします。
しばらくトラバースしていったら登りやすそうな垂壁が見つかり、その壁を登った先の奥の方に核心部っぽいのが見えたので、そのまま壁を少し登ってみましたが、核心の前でビレイ点を作ることができず右往左往。
仕方なく引き返すことにして、怖い思いをしながら垂壁をクライムダウンし、結局壁の手前でピッチを切りました。



そして核心の4ピッチ目はまーしーがリード。
出だしの垂壁を登ってから、バンドを右上し、クラックのある凹角を登っていきます。
難しそうでしたが、粘りに粘ってじわじわと登り、最後はフリークライミングのときのような雄叫びをあげながら、見事にノーテンで突破。



僕もフォローで核心を登りましたが、とにかく足が細かい。
アックスは岩に引っ掛ける感じになりますが、アックスの角度がずれると滑り出してしまい、一度アックスが外れてテンションをかけてしまいました。
1テン後は何とかそのままトップアウトできましたが、このピッチはリードで登るのはかなり怖いと思います。



その後は簡単な雪壁を100mほど登って稜線へ上がり、登山道を歩いて阿弥陀岳の山頂を目指します。



予定より大分時間がかかってしまいましたが、15時過ぎに山頂に到着。

山頂に到着したときの気温はマイナス10度でしたが、風はたいして強くなく、そこそこ暖かく感じました。
今回はビレイ中でも寒さを感じることもなかったので、指の感覚がなくなるような恐怖感もなく、良い条件の中でルートを楽しめてよかったです。

下山は御小屋尾根を使い、長い下りを延々と下りつづけましたが、ここまでの長時間の行動で僕の体力はすっかり空っぽになってしまい、途中の御小屋山までの登り返しのほんの十数メートルの登りで全然脚が上がらず、バテバテになってしまいました。
すごく疲れましたが、思いがけずラッセルも楽しめて、ドライツーリングも体験できて充実した一日でした。


今回のルート(GPSログは取ってなかったので適当です)


5:02 八ヶ岳山荘
↓ 2時間41分
7:43 北西稜の末端
↓ 2時間44分
10:17 北西稜取り付き
↓ 4時間13分
14:30頃 北西稜の終了点
↓ 35分
15:05 阿弥陀岳
↓ 2時間30分
17:35 八ヶ岳山荘
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