小川山


2019年9月20日(金)
まっさん、Hパイセン、Iパイセンと小川山の妹岩に行ってきました。

今回はアップで「屋根の上のタジヤン」(5.9)にトライ。
登り終ってみれば難しくはありませんでしたが、やっぱりスラブで乗り込むときは、簡単なところも勇気が要ります。

僕の後でまっさんがトライしましたが、なんとまっさんが途中で諦めてテンションを掛け、敗退して降りてきました。
このところ成長著しいまっさんですが、スラブは不慣れな様子で、すっかり自信を失って捨てられた子犬のようになっていました。



「屋根の上のタジヤン」なんて変な名前だと思いましたが、マラ岩の西面の岩小屋になっているところのちょうど屋根のところにルートがありました。
取り付きのところが結構高くて、1ピン目クリップまでに落ちると2階から落ちるような感じになってしまうので怖いです。



「屋根の上のタジヤン」が面白かったので、せっかくだからちょっと難しいスラブのルートにも触ってみようと思い、5.10dの「届け手の平」にもトライしてみました。
Iパイセンが先にトライしましたが、核心がかなり難しい様子で、かなり長時間粘った後で、諦めて核心をA0で抜けてトップアウトして降りてきました。

そして次に僕のトライ。
トポを見ると難しいのは1箇所だけと書いてありますが、Iパイセンが頑張っていたところよりもかなり下の方で、難しい部分があってテンションを掛けてしまいました。
ハングドッグして考えて、このムーブで行くしかないと決めて、気合で乗り込んだら何とか突破できたので、絶対今のところが核心だろうと思いましたが、実際の核心部に辿り着いてみたら、もっとずっと絶望的な感じのやつでした。

手も足も何も無いように見えましたが、よーく探すと微かな凹凸があり、やっと探し当てたホールドは、これまで自分が持ったホールドの中で最も頼りないものでした。
ここでも早々にハングドッグしてスタンスを探し、時間をかけて隈なく探した結果、どうやらこのスタンスでいくしかないようだ、というのを見つけて、そのスタンスに乗ろうと試してみましたが、どうしても怖くて乗れません。

ただしボルトの位置はとても良く、失敗してもほとんど落ちないので、もし足が滑って落ちても、膝をちょっと擦るぐらいで済みそうな感じ。
この程度のリスクも許容できないような弱虫クライマーではいかん、と自分を奮い立たせ、意を決してスタンスに乗り込みます。
蹴り足を蹴って腰を上げますが、乗り込む足に体重が移りきらず、(落ちる!)と思いましたが、恐怖を振り払うように咆哮を上げ、全身に力をみなぎらせて耐えると、不思議と落ちずに止まっていました。
しかしそこで落ちずに耐えるのが精一杯で、次の動作には移れず、やがて足が滑ってフォール。
2〜3回試してみましたがどうしても突破できず、ふくらはぎが破裂しそうなぐらいパンパンに張ってしまったので、諦めてA0で突破してトップアウト。

スタンスに立つというよりは、他よりは比較的傾斜が緩くなっている部分を探して、靴底のフリクションを効かせて落ちないようにするという感じで、今までに経験してきたクライミングとはまた別のことをやっているような感じでした。

小川山というと、今まではクラックを登ることしか考えてませんでしたが、花崗岩のスラブももっと練習して、フェイスでもクラックでもスラブでも、ワイドクラックでも、どんなところでも登れるようなクライマーになりたいと思います。

しかし、トライしてみるまでは「絶対に立てないだろう」と思っていたスタンスに、乗り込んでみたら意外と落ちなかったというのは、結構大きな収穫だったので、あの一歩を踏み出すことができただけでも、今日のところはとりあえず満足です。



まっさんは「屋根の上のタジヤン」をレッドポイントして自信を取り戻したみたいで、次は「ジャックと豆の木」にトライしてました。



僕も「ジャックと豆の木」をやろうかと思いましたが、まっさんの野郎が途中で諦めてカムを残して降りてきたので、まっさんのトライの合間にトップロープで核心だけ練習して、今日のところは終了。
もうジャムを極める箇所もすっかり分かってきたので、今日は大分余裕を持って核心部をこなせました。
次に来たときには落とせそうです。

まっさんもこの日の最後のトライで核心を突破して、そのままその後はノーテンでトップアウトしたので、うかうかしていると本当にまっさんに追い抜かれてしまいそうです。


【今日の成果】
屋根の上のタジヤン5.9MOS
届け手の平5.10dトップアウト(テン山、A0)
ジャックと豆の木(TR)5.10c核心だけ練習
Comment Box is loading comments...